UK2002 猫の旅

9/3。西行きだから、長い一日になるよ。

成田空港第一ターミナル。KLM のツーリストクラスは、窓口がたった3つ。 うち一つはなにか必ず不備がないと気が済まないんだよねあたしゃ。 って感じのラテン系のおかあちゃんが長時間占有しちゃうのは言うまでも無く、 生きているのは2つきり。長蛇の列となります。チェックインはお早めに。 10:15 発。

11時間ちょいでスキポール。こぢんまりしていて乗り換えが楽。 寿司バーでは白人の子供がわさびを体験して顔をしかめてました。 現地時間 4:45 pm。

時差一時間で所用時間一時間のため、到着は同じく 4:45 pm で、 Stansted。ロンドンの最新 (4 番目?) の国際空港。真新しい。 Heathrow は遠いので Sanger に行くならお勧めでは無い。

聞き取れなかったら Sorry? と訪ねるのが英国風。 米国人が Perfect! とか fine! と言う場面で、 英国人は頻りと Lovery! と言うね。

Cab で M11 を通り 30 分。£32 で Hinxton 村に到着。 Hinxton Genome Canpus は古くは領主様のお屋敷だったそうで。 中は近代的に設え直してありますが、外見は古いまま保つ。

夜景。

こちらはレセプションとホールのある棟。風見はお魚の形です。 ちいさくてわかんないか。

手前が Sanger Institute, 立ち木の向こうにちょいと見えてるのが EBI Hinxton。なかにはいってみると廊下とか意外に狭苦しい。 重たい防火扉が要所要所にあるからかな。Ensembl の連中は、 若くて陽気。とってもフレンドリー。しかしあんなに大勢いるのか。 日本は bioinformatician の絶対数が足りない。足りないったら足りない。

レジデンス全景。新しい建物を古そうに作るよね。たいしたもんだ。

夜景。

部屋。簡素ではあるがこぎれい。 September 3 だってのに廊下にはすでに暖房が。

日本は翌日明け方なワケで、眠くてしょうがないのだけど、ここで寝てたら 翌日も時差ぼけ間違いなしなので、Hinxton 村へ出てみる。

High street に一件の貸家。えらく古そうに見えるけど、 かなり新しい方。Hinxton は保養地のような場所で、家賃が高いんだそうで。 EBI や Sanger の人たちは近くの別の村から通っているんだとか。 "for rent" ではなく、"to let" の表示が英国風。おいくらなんだろうね。

各戸に大小の庭があるのだが、車を停めるスペースを惜しんでの ガーデニング。芝生を植えて草木いろいろ。 その結果、道路にずらりと車が並ぶ。 そして黒いビニールのゴミ袋。

日本だと言われても納得しそうな貧乏くさいバス待合所。

草葺き屋根の古い建物にぴかぴかのアルファ。これも英国風景。

早速猫発見!黒白ハチ割れ猫。でかい。

車の下に隠れたところを失敬。いい毛並み。まるまる。

いまにも崩壊しそうな、石と砂とレンガでできた塀。

... あ、すでに一部崩壊してたわ。

ぬわんと黒猫に邂逅!! しかしこいつもふとっちょだな...

強そうな外見にも関わらず、しっぽをたらして逃げ込んだ先は

ご当地唯一の店 (いや、ほんと)、The Red Lion だったのでした。 いわゆるパブ。他になにもないのにパブだけはある。

眠いのでもどってみた。雑然とした机の上。

電源は 240V、形はこんな。必ずスイッチがついてるのがいいね。

空港で買ってきたビターなんぞを摂取しつつ、夜を待つのでした。


9/4。7:30 pm からミーティングなので、昼は空いてる。 Cambridge は車で 20 分程だがわざわざ観光に行くよーな元気もなく、 ふたたび Hinxton 探索。

徒歩 10 分ほどで地の果て。とゆーか、村の果て。この先行止まり。

英国にも不心得者はいる。植え込みにお菓子の袋がねじ込まれていた。

きゃっ。またしても黒猫。と、思うと窓際の置き物なんだね。

さて、線路にむかってあるいていると "FORD" の看板。なんだこれ。 道が不自然に塗れていることにご注意あれ。

これが ford の正体。道の上を川が流れている。右は歩道。 車は速度を落として川の中をざばざばぁ、と通過して行く。 なかには全然速度を落とさずにどえらい水しぶきをあげていく奴も。

歩道の橋の上から。たしかに橋作るより安上がりだな。この位の流れなら。 極東の某後進国の無駄が多いほど良いとされる公共事業も見習ってみては。

"FORD" のサインの裏にはご丁寧に「ブレーキを確認せえ」と。

ford を過ぎるとまもなく踏み切りが見えてくる。 手前には「でかい車と遅い車はあらかじめ電話しとけ。と。 下の看板には、でかいのとは具体的にはこれこれ。遅いのとは...」 などと細かく指定。神経質な行き届き様である。

村境の踏み切りを越えると、そこには何もなかった。

お昼すぎになったので、うっそりと The Red Lion に入る。 「拙者小腹がすいたによって軽い食事を所望するがあるか」と聞くと、 カウンターにはきっちりボウタイした金髪碧眼のにいちゃんがおり、 「いや実はいろいろあるのですよ sir」などと、メニューを見せる。

見ればサンドウィッチから本格料理まで確かにいろいろあるのだが、 それほど腹も減っていないので最も安価なる「本日のスープ」を注文。 トマトチリ味のどろっとした何ものか。しかしあつあつでうまい。 パンとバターつきで £3.95。食事はドイツの倍くらい値がはるのぅ。 ビターのハーフパイント £1.00 也と共に。ビターは室温なのだが、 手書きの黒板メニューなどをつらつらと眺めると瓶入りではあるが 冷えたバドワイザーなんてのもあって、どうやら冷やすのもアリなようだ。

あっ、パブの窓際に昨日の黒猫が... 今日は置き物になってる。 さすがはハリーポッターの国。魔法だね。

帰り際に茶色のやや長毛の猫にであう。そそくさと逃げた。

この晩は 7:30 pm からセッション開始。皆さん元気なことで。 眠くて仕様がないが、なんとか持ちこたえる。


9/5 は朝からセッション。

フランシスクリックオーディトリウムは 300 人収容。小さいけどきれい。 専任の優秀なる AV team がおり、主催者がばたばたしないですむ。

ポスター発表した証拠写真。向こうは R 研の秀才 B さん。 自分のポスター番号がないので「拙者のポスターは何処に張ればよろしかろう」 と受付のおねーさんに聞くと「どこにでもはってよろしい」などと、 極めていーじーごーいんぐなお答え。じゃ、なんで番号ついてんだよっ。 しからば勝手に、と適当に場所を見繕って張る。

ポスターセッションの後、夕方一時間ほど時間が空いたので、 また趣味の路上観察と猫観察のため、Hinxton を彷徨ってみた。

するとさっそく、黒猫が庭で箱座り。やあやあ。 おとといあった子かな?

しばらく歩いていくと... ありゃ。また黒猫。

近寄るとそーっと逃げちゃうの。

黒猫の多い村だ。一族なのかね。

さらに進むと、農家の門先で向こうから小動物が...

脇目もふらずにどんどんくるよ。ずんずん。

わーい。さわれさわれ〜、の猫だ〜

ごーろごろ。

しかし、でぶだね〜。あんたわ。

ごーろごろ。

ひとしきりウリウリさせていただく。 日も傾いたところで、名残りは尽きねど、さようなら。

... と、思ったらまた来るし ^^;)

ホントにさよならね。いつまでも幸せにね。幸せそうだけどさ。

黒っぽいタビーが玄関先に寝てる家。 庭のある英国人は基本的に猫を飼うことになってるようで。いい国だ。

あれ、今度は道ばたに黒猫が寝てる... と思ったら...

真新しい馬ふんだったりなんかしたり...

ところでダブルデッカーは都会の乗物かと思ってたら、 こんな田舎でも2階建て。4〜5人しか乗ってなくても2階建て。

そんな東洋から来た路上観察者を、 牧場の顔の黒い皆さんが大変怪んで見るのでした。


9/6 はみっちりミーティング。 9/7 のブレンナー先生のキーノートの前に一時間空きができたのでまた探索に。

青い空。このあととてつもない金属音たてて戦闘機が飛んだ。 もうすぐ戦争。

ただならぬ気配を感じてみると、猫がにやりと笑っていた。 ... っていうかたまたまそういうふうに写っただけなんだけど。 近付くとえらい勢いで人家に逃げ込んだ。

こんな可愛い子もいたよ。木漏れ日を浴びてうっとりしていた。


9/8 ミーティング最終日。 3 時頃解散になったので、最後の彷徨。

この子は体をこすりつけていった。大英帝国の猫にしては太ってない。

Loadship Farm のぷりぷり猫にもう一度逢えた。えへへ。

さらば Hinxton。ところで英国ではこういう普通のハッチバックが大多数。 こういうフツーの車はいつの間にか日本では少なくなってるね。


9/9 朝 8 時に Conference Centre を出る。

朝のホール脇で cab を待つ。小雨が降り出す。

踏切待ち。

Stansted は buzz やら

go (むこうの白いの) といった、 激安ヨーロッパ都市間航空会社が多く入っています。

スキポールは青天。カジノのとなりのバーで Tokyo 行きの待ち時間をつぶす。

今回の出張では、 英国の田舎ではどうやら無闇に猫が飼われており、しかも、太っている、 ということがわかりました。めでたい。 ... もちろん猫ばっかし見てたわけではなく、ちゃんとミーティングに参加し、 いろいろ話聞いたり話したりしてきましたよ。はい。


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